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脳卒中・血管内治療センター

脳卒中は、いったん発症すると健康寿命を大きく損ないます。命を落としてしまうこともまれではありません。脳卒中になっても見守るしかなかった時代がありましたが、現在では内科的治療やカテーテルによる脳血管内治療が飛躍的に進歩して、脳卒中の治療が大きく変化しています。その結果、脳卒中の予防もさることながら、たとえ発症したとしても社会復帰率が向上しています。

当院においても最先端の脳卒中治療が提供できるように、平成27年1月に脳卒中・血管内治療センターを開設いたしました。これまでの豊富な脳血管内治療経験(約1500症例)をもとに低侵襲でかつ安全性の高いカテーテル手技を実践しています。当センターでは脳神経外科医、脳血管内治療専門医、脳卒中内科医がチームを組んで最良の脳卒中治療を提供できるよう努めています。

脳卒中は全身の動脈硬化や心臓疾患とも密接な関連があり、脳だけを診るのではなく全身状態をしっかりと把握して総合的な治療方針を立てることが必要です。当院には循環器内科・心臓外科・血管外科で構成される心臓血管センターがあり、疾患ごとに密な連携をとって治療にあたっています。

また、脳卒中後に慢性的な疼痛に悩まされる方が少なくありません。当センターでは脊髄刺激療法という新たな治療法にも取り組んでいます。


検査と診断

MRI(3.0Tおよび1.5T)
3.0T(テスラ:磁場の強さの単位)MRIによって、頭部や頸部の微細な病変を高解像度で鮮明に撮像することができます。造影剤を用いることなく血管の情報も得ることができます。

CT(320列)
超高性能CTスキャナ(320列マルチスライス撮影装置)での3次元CT撮影によって、MRIでは評価の困難な脳動脈瘤や頭蓋内・頸部血管の狭窄病変に関する高精度の診断が可能です。

超音波検査装置
高性能の超音波検査装置が導入されており、頸部血管・鎖骨下動脈などの狭窄病変の検出や動脈硬化進行度の高精度な評価が可能です。

脳血管撮影装置
現在、Siemens社製のArtis zee BA Twin(バイプレーンシステム)を使用しています(写真1)。ワークステーションが接続されており3次元回転撮影による詳細な血管形状の評価が可能です。脳血管内治療も同じ装置を使って行っていますが、今年度中には、手術室に先端医療室(ハイブリッド手術室)が完成して、血管内治療がより安全に行えるようになります。

SPECT(核医学検査)
放射性医薬品を注射して脳血流や脳機能を評価することが可能です。頭蓋内・頸部血管の狭窄が脳循環に与えている影響を評価することによって治療の必要性を評価します。


脳血管内治療

X線装置による透視下に「マイクロカテーテル」と呼ばれる細い管を大腿の付け根から挿管し、頭蓋内の血管まで進めて治療を行います。従来の開頭術では治療が難しかった疾患が、脳血管内手術で治療が可能になっています。具体的な治療を紹介します。


脳動脈瘤のコイル塞栓

くも膜下出血の原因となる脳動脈瘤は、世界的に日本人における有病率が高い疾患です。破裂を予防する(いったん破裂した後の再破裂予防も含む)ためには、従来行われていた開頭クリッピング術か脳血管内治療によるコイル塞栓術かどちらかを行うことになります。コイル塞栓術では動脈瘤内に誘導したマイクロカテーテルからプラチナでできた細くて柔らかいコイルを詰めて血液が入らないようにします。脳を直接触らなくても治療できるので奥深い場所にできた動脈瘤も治療可能ですし、術後の回復も早く未破裂脳動脈瘤の場合は退院後すぐにもとの生活に戻れます。


頸動脈狭窄に対するステント留置による血行再建

脳梗塞の原因となる頸部頸動脈狭窄症を持つ患者数は増えています。高度狭窄を呈している場合には、脳梗塞の発症(再発も含む)を予防するために、内科的治療に加えて血行再建術が必要になります。従来行われていた内膜剥離術か脳血管内治療による頸動脈ステント留置術かどちらかを行うことになります。


頭蓋内・頸部脳血管の急性閉塞に対する血栓回収

発症から4.5時間以内であれば、tPA(組織型プラスミノーゲン活性化因子)の静脈投与が第一選択肢となりますが、投与しても主幹動脈の血栓が溶けない場合や何らかの理由でtPA静注が禁忌となる場合もあります。そのような場合には、脳血管内治療の出番です。発症から8時間以内であれば、血栓回収用の特殊なカテーテルを誘導して血栓を回収します。



脳動静脈奇形・硬膜動静脈瘻(脳および脊髄)における血管塞栓
これらは脳や脊髄において動脈と静脈とが毛細血管網を介さずに短絡(シャント)を形成している疾患です。出血やけいれん発作などの原因となります。脳血管内手術で短絡している血管を塞栓して治します。

腫瘍摘出術前の栄養血管塞栓
脳腫瘍や頭頸部腫瘍の摘出術を行う際に、血流が豊富な腫瘍の場合、摘出術前に血管内手術で腫瘍の栄養血管を塞栓して摘出術中の出血を少なくして手技を容易にすることができます。


脊髄刺激療法

痛みに対する治療法のひとつとして、脊髄刺激法(SCS)という外科的治療が注目を集めています。痛みの信号は脊髄を通って脳に伝わり、痛いと認識されます。SCSでは、脊髄と脊柱の間(硬膜外腔)に先端に電極のついた細い動線を挿入してわずかな電気を流すことによって、痛みを脳に伝わりにくくする方法です。脳卒中後の疼痛、パーキンソン病による腰痛、腰椎手術後の疼痛、末梢血管障害による疼痛などに有効とされています。


脳卒中・血管内治療センターで行う治療
  • 脳卒中全般(脳梗塞、脳内出血、くも膜下出血)の内科的治療
  • 脳動脈瘤のコイル塞栓
  • 頸部頸動脈および頭蓋内血管狭窄に対するステント留置
  • 脳動静脈奇形における血管塞栓
  • 硬膜動静脈瘻(頭蓋内・脊髄)における血管塞栓
  • 脳腫瘍・頭頸部腫瘍の摘出術前における栄養血管塞栓

対象となる疾患

脳動脈瘤、頸動脈狭窄症、頭蓋内血管狭窄症、鎖骨下動脈狭窄症、脳動静脈奇形、硬膜動静脈瘻、脊髄血管奇形、摘出術前の頭頸部および頭蓋内腫瘍(術前塞栓術)など


手術実績
診療科 術式 2015年度
脳卒中・血管内治療センター 脳血管内手術 動脈瘤コイル塞栓術 9
脳・脊髄血管奇形塞栓術 2
経皮的頸動脈ステント留置術 9
経皮的脳血管形成術 4
血管塞栓術 5
脳血栓回収術 1
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