研修医勉強会の報告

2017年11月10日 河村先生循環器勉強会

心電図は低侵襲ですぐに施行できるが故、あらゆる患者さんに施行する。しかし、心電図をとっただけでは何も生まれない。その紙1枚が何を示しているのかを吟味しなければ意味がない。
息切れ、呼吸困難、動悸、胸痛、失神、術後。これらのキーワードで考えなければいけない疾患のひとつ、それは肺塞栓症である。学生の時、肺塞栓症の心電図所見といえばS1Q3T3と呪文のように記憶した覚えがある。理由など二の次だった。しかし臨床の現場においてはそれでは通用しない。河村先生の勉強会では「なぜそうなるか」を明確にしていく。右心負荷による右室の拡大や位置の変化を反映し、右軸偏位、Ⅲ誘導でQ波・陰性T波、胸部誘導におけるpoor R progression、V1~3の陰性Tといった所見や、右室の相対的虚血によるⅢ誘導でのST上昇を認めることがある。そして何より頻脈となることが大切である。心電図以外の検査としては、心エコーでは右室圧上昇による左室の圧排所見をあらわすD-shapeを認める。肺塞栓症と診断したら、massiveからnon-massiveの重症度分類を用い適切な治療を行う。今回提示された、独特な形状を描く12本の線にはEssenceが凝縮されていた。
最後に実際にあったひとつの症例が提示された。動悸を主訴に来院した患者さん。心電図では上室性頻拍の所見を呈しており、数分後に発作は消失。再度心電図施行したところ洞調律で、Ⅲ誘導とV1~3誘導に陰性T波が見られたが、頻脈後の”cardiac memory”だと考えられた。主治医は胸を撫で下ろし帰宅させようとしたが念のため心エコーを施行した。するとなんとそこにはD-shapeを認めていた…。
これは単なる症例提示ではない。心電図所見は大切だ。吟味しなければ意味がない。けれど、それだけじゃない。きっと河村先生が本当に伝えたいことが最後の症例に詰まっているのだろうと感じた。

2017年10月17日 勉強会

腹痛。よく来る。だがしかし、果たして僕らはお腹の痛がっている患者さんを、自信を持って診察できているだろうか。否。志賀先生は仰る。「医師も一定のレベルになると、お腹を一瞬触っただけで手術かどうかわかるようになります。腹痛はとくに、診て触って、数をこなすことが大事なのです。」と。では、ただ数をこなせばいいのだろうか。否。そう。優秀な指導者のいる中で勉強させていただいた上で、お腹を触ることが大切なのである。この文章はまさにエッセンスof腹痛。志賀先生から受け継いだ意思が濃密に詰まっている。ここにお伝えしよう。今回勉強したことは、まず「イレウス」という言葉は「麻痺性イレウス」を意味するということ。つまり、「腸閉塞」という言葉を普段から使うようにするべきだということだ。また、身体所見で膨満しているお腹、さらには圧痛や反跳痛を見たら「ヤバイ!」と瞬時に判断するべきということだ。これは絞扼性イレウスの可能性を頭に浮かべる必要があるからだ。そして極めつけは腹部レントゲンはほぼ意味ないということ。その心は?そう、結局CTを撮るからだ。手術をするかしないかの判断は、CT(できれば造影)に大きく左右されるのだ。僕らはまだ、志賀先生のレベルにまで程遠い道のりがある。これから数々のお腹を触っていって、いつの日かお腹触った瞬間に「これは・・・手術だ。」と静かに言える医師に僕はなりたい。

初期臨床研修医1年目 髙𣘺 重文

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