高梨 秀一郎

心臓外科
高梨 秀一郎

TAKANASHI Shuichiro

必要な患者様に質の高い適切な心臓手術を受けてほしい。困難でも絶対に諦めません

専門・得意とする疾患・治療

僧帽弁系左不全症、大動脈弁閉鎖不全症に対する弁形成術、肥大型心筋症に対する拡大心筋切除術、狭心症、心筋梗塞に対する心拍動下冠動脈バイパス術、びまん性冠動脈狭窄症に対するLAD内膜摘除、onlay patch graftingなどを得意としています。これまでに行った開心術は8,000例以上です。

この分野に進んだきっかけ

成人心臓外科手術の第一人者 心臓外科 高梨 秀一郎医師

私は手先が器用じゃないので、最初は外科なんてとんでもないと思っており、循環器内科医を志望しました。しかし心臓という臓器は、構造が簡単で、部屋が4つに区切られていて、仕切りと弁がありその中を血液が流れる。管が狭くなれば抵抗が増えて、血流も減る。高校時代に好きだった物理と同じで、心臓外科は覚えることが少ないと感じました。また、良い循環器内科医になるためにも一度は心臓外科を見た方が良いとのアドバイスを受け、医学部6年生の時に、当時の女子医大心研(東京女子医科大学附属日本心臓血圧研究所)の心臓外科に見学に行きました。そこで勤務する心臓外科医局長の先生から『心臓外科は金なし、暇なし、地位なしのないない尽くしだ。心臓外科医になったところで、いいことなど何もない』と言われたのですが、反骨精神が旺盛だった私は、『この人は何かを隠しているに違いない。そこまで言うならめざしてみよう』と心臓外科医になることを決めたのです。

医師として大切にしていること、モットーなど

国際医療福祉大学三田病院 心臓外科 高梨 秀一郎医師

「諦めないこと」
医者になって2年目のことです。胸部動脈瘤の手術に立ち合いました。手術には人工心肺を使用し、血液凝固を防ぐために抗凝固薬を使用しています。そのため、血液が固まらなくなるのはもちろんですが、血管がもろく、縫っても縫っても出血は治まりそうにありません。手術を終えるためには、人工心肺を止める必要がありましたが、一方で人工心肺を止めることで血液を回収できず大量失血になることは確実です。このままでは、延々と人工心肺を回し続けることになる、そんな状況でしたが、師匠は「人工心肺を止めろ!」と叫び自らの手で大動脈を強く押さえ、出血を止めました。そのおかげで手術は無事に終了したのです。
この経験以来、私はどんな難しい状況でも絶対に諦めず、一人ひとりの患者様に真摯に向き合う強い決意を持って手術に臨むようになりました。

今後取り組みたいこと、
めざしたいこと

国際医療福祉大学三田病院の手術スタッフと

必要な患者様に、質の高い適切な心臓手術を受けて欲しい。
それを実現するための仕組みを作っていきたい、と思っています。
どこに住んでいても、今ではインターネットを通じてさまざまな情報を手に入れることができるようになりました。家族や友人がいて、安心感のある生活圏の中で手術を受けることが患者様にとって最も良い条件であり、このような環境が術後の回復を早め、治療にとっても有益になります。患者様が安心して手術を受けられるよう、全国各地で質の高い教育と手術を提供できる環境を整えていきたいと思っています。

メッセージ

心臓の手術をしたら仕事を辞めなくてはいけない…、もう運動は控えなくてはいけない…、と悩んでいる方も多くいらっしゃいますが、決してそうではありません。 今まで以上に心臓の機能を向上させるのが手術です。手術前より元気になりたい方、これから自分がしたいことがある方はぜひ治療をおすすめします。未来への希望を持って、新たな始まりへの第一歩をともに歩みましょう。

医師のご紹介

循環器内科
合屋 雅彦
循環器内科
大門 雅夫
心臓外科
高梨 秀一郎
循環器内科
田村 雄一

診療科

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専攻医研修を受けられる方・
若手医師の方へ

国際医療福祉大学三田病院では、専攻医(卒後3年目)以降から学位(医学博士)取得をめざしつつ、都心部で臨床経験を積むことができます。
また、専攻医取得後に通常勤務・診療をしながら学位取得をめざすことも可能です。