重松 邦広

血管外科
重松 邦広

SHIGEMATSU Kunihiro

年齢とともに老いていく血管を正しく機能させ、患者様の生活の質を維持させるために全力を尽くします

専門・得意とする疾患・治療

血管外科の守備範囲は広く、心臓ならびに頭蓋内血管以外の血管の治療を行っています。なかでも、脳梗塞の原因となる頸動脈狭窄症に対する血栓内膜剥離術、歩くと足が痛くなったり重症化すると壊死に至る下肢閉塞性動脈硬化症に対するバイパス術・血管内治療(とくに重症下肢虚血に対する下腿・足部動脈へのバイパス術)、大動脈瘤や内臓動脈瘤などの拡張性疾患に対しての外科的再建・血管内治療を得意としています。静脈疾患についても、深部静脈血栓症や下肢静脈瘤(血管内治療)に対する治療も行っています。

この分野に進んだきっかけ

血管外科医の育成に努める血管外科 重松 邦広医師(中央)

学生時代には外科医になることを決めていました。当時の外科は、大きく一般外科(消化器主体)・胸部外科(心臓・呼吸器主体)に二分されており、なんでもできる医師になろうと一般外科(東大第一外科)に入局し、胃・大腸・膵臓・肝臓・血管などのグループで初期研修を開始しました。卒後2~4年目に行われた後期研修先の3次救急病院の外科では、交通外傷も多く、血管損傷に対応できないと救命できない現実を突きつけられ、血管外科を志すきっかけになりました。その後血管外科の道に入り、対象疾患は動脈硬化性疾患へと変わりましたが、血管外科の技術はすべての外科に通じるものと考えています。

医師として大切にしていること、モットーなど

「普通のことを普通に行う。」
外科医として手術を行う以上は、対象疾患の治療をしっかりと正しく行うことが最も大切になります。そのために、術前管理・手術・術後管理を含めて普通のことを普通に行うことがもっとも大事です。長年にわたり、世界中で確立されてきた技術を普通に行うことが、合併症なく退院していただく肝だと考え、「普通のことを普通に行う」ことに徹しています。
「患者さんの生活の質を維持する。」
医療技術の進歩により、さまざまな疾患において低侵襲な治療法が確立されてきています。これは、血管外科領域においても同様です。低侵襲性と根治性、治療効果の永続性を考えて治療にあたります。
動脈瘤は破裂すると死に直結する病気ですが、外科手術(人工血管置換術)と血管内治療(ステントグラフト内挿術)の選択にあたっては、患者様の術後10年の生活の質を考えて選択します。また、閉塞性動脈硬化症においても、10年後に自分の足で歩いて日常生活を送れることを考慮して、外科手術・血管内治療・薬物運動療法の治療法を選択します。
いずれの疾患も、治療を受けていただくことで患者様が生活の質を長期にわたって維持していただけることを考えて治療にあたっています。

今後取り組みたいこと、
めざしたいこと

国際医療福祉大学三田病院 血管外科 重松 邦広医師(中央)

日本は超高齢社会を迎え、年齢とともに血管も動脈硬化を呈し、血管外科が扱う患者数も増加の一途をたどっています。国内の血管外科医は、現時点でも十分な人数がいるとはいえない状況です。血管内治療の技術の進歩に伴いより多くの患者様に治療を受けていただけるようになってきましたが、未だ十分とはいえない状態です。これまで培われてきた技術を継承してもらう血管外科医の育成、より低侵襲で根治性の高い治療法の確立に努め、患者様の生活の質を維持する血管外科を進めたいと思っています。

メッセージ

当科では、大動脈瘤や大動脈解離、慢性動脈閉塞症、頸動脈狭窄症、下肢静脈瘤、深部静脈血栓症、そして透析療法におけるアクセス作成などのさまざまな血管疾患に対して、外科手術だけでなく、最新の血管内治療法をご提供しています。特に、ステントグラフト内挿術をはじめとする最新の治療法や、外科手術と血管内治療を組み合わせたハイブリッド治療など、患者さんの血管の状態や病態にあわせて最適なオーダーメイドな治療をご提供しています。お一人おひとりの健康状態をしっかりと評価し、専門知識と経験を生かして、最良の治療法をご提案いたします。どうぞ安心してお任せください。

医師のご紹介

循環器内科 
合屋 雅彦
循環器内科 
大門 雅夫
心臓外科 
秋田 雅史
血管外科 
重松 邦広
循環器内科 
田村 雄一

診療科

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専攻医研修を受けられる方・
若手医師の方へ

国際医療福祉大学三田病院では、専攻医(卒後3年目)以降から学位(医学博士)取得をめざしつつ、都心部で臨床経験を積むことができます。
また、専攻医取得後に通常勤務・診療をしながら学位取得をめざすことも可能です。