診療科のご案内

創傷治療センター

静脈うっ滞性潰瘍

なかなか治らない慢性創傷の治療

①ふくらはぎを飼い猫の爪で引っかかれてできた傷が悪化。病態は外傷に起因した静脈うっ滞性潰瘍。
②壊死した組織を切除しました。
③人工真皮の移植を行いました。
④壊死組織切除部に良好な血流の組織が形成されたので⑤網状植皮を行いました。
⑥治癒後も弾性ストッキングを着用して再発を予防しました。

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悪性腫瘍による潰瘍

皮膚科、整形外科、形成外科による局所治療

悪性リンパ腫が原因の臀部潰瘍です。悪性リンパ腫の治療が奏功したので、潰瘍は軟膏で治りました。

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悪性腫瘍を疑う症例

なかなか治らない傷の中には、皮膚がんの場合があります。

①右足にとげが刺さってできた小さな傷だと思い、ご自宅近くの病院で切開処置(矢印)を受けたが、とげがみつからないということで紹介されました。
②皮膚がんを疑い生検したところ、病理組織診断は高分化型有棘細胞がんでした。
③拡大切除を行い、反対の土踏まずの組織をかかとへ移植しました。その際、顕微鏡を使って移植血管を吻合しました。
④治療後6年を経過しましたが、再発はみられません。

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透析中の治療

病態に合わせた治療

透析患者さんの足の傷は治りにくいのが特徴です 。この方は、巻き爪の治療を受けたら潰瘍が生じたそうです。
創傷は手術を行わなくても治る病態と、手術が必要な病態に分かれます。手術が必要な病態においても、それぞれの病態と患部への血流量によって、切断して傷口を 縫合する部位は異なります。

【手術せずによくなった例】

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【手術が必要な状態と術後の状態】

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【手術後のケア】
透析中の全身を管理して手術後の回復を促します。リハビリテーションによって足関節の機能も改善しました、専用の装具で自動車の運転も可能です。

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糖尿病性壊疽

傷が治るために必要な血液の流れを良くする治療

①透析患者様の糖尿病性足壊疽です。
②血管外科で膝の動脈と足の甲の動脈の間にバイパス手術が行われ、足の血流が改善しました。局所治療はまず壊疽を切除し、次いで切除部位に背中の組織を移植しました(矢印)。
移植した背部の組織の動脈はバイパス血管に顕微鏡を使って吻合しました

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傷の背景にある機能障害の回復

①虚血を合併した糖尿病性右足壊疽を生じた患者様は、左下腿をすでに他院で切断されていました(②の*)。
②血管外科で膝の裏と足の甲の間にバイパス手術を行い、血流を改善しました(赤矢印がバイパス血管)。
③かかとの壊疽を切除後に背部の筋肉と皮膚を移植しました。移植した背部の組織の動脈(②青矢印)はバイパス血管(②赤矢印)に顕微鏡を使って吻合しました。右1,4,5趾の糖尿病性壊疽は切断しました。
④右下肢の救肢手術後は、リハビリテーションに努めました。
⑤手術後7年経ちましたが、創傷の再発はありません。

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膠原病性潰瘍

他院で切断といわれた足の救肢

膠原病性潰瘍が悪化したために生じた両足の壊疽です。切断しなければ治らないと他院で言われたそうです。
両足ともに壊死組織を切除して、局所陰圧閉鎖療法後に網状植皮を行い治癒しました。また、この方は手指にも潰瘍がありましたが、軟膏治療で治癒しました。

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傷の背景にある病気の治療

両足に膠原病性潰瘍が生じた患者様に、膠原病治療と並行して、さまざまな局所治療を行い、治癒しました。

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傷の免荷

傷は押されたり、擦れたりすると治りません。様々な部位の傷に対応した免荷装具の装着が、慢性創傷の治療では大切です。
①右第1趾潰瘍 ②使用した免荷サンダル ③治癒しました

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①蜂窩織炎により右足が腫れています。
②踏み返し部に潰瘍が生じています。
③潰瘍の局所治療材料と免荷を目的とした中敷きを装着。
④患部保護のため踏み返しを制限することで治癒しました。

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①左第1、3趾壊疽があり、ガーゼを固定するために使用されたテープで左足関節部はかぶれていました。
②左踵の壊疽、アキレス腱部は包帯で擦れて潰瘍になっていました。
③歩行時と就寝時(透析治療中)に免荷装具を装着し治癒しました。
④左第1、3趾は切断、アキレス腱部は外用薬、踵は植皮で治療しました。

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傷の再発予防

ご自身の足に合った履物で足を守ることが、再発を予防するうえで重要です。

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靴下の縫い目による些細な圧迫や擦れ(黄矢印)も、足に障害のある方にとっては大敵です。 爪、たこ、魚の目のケアはもちろん、靴下選びもおろそかにできません。つま先に縫い目がない靴下等も市販されています。

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