診療科のご案内

眼科

ご挨拶

国際医療福祉大学三田病院眼科では、現在、杉崎、吉田、伊沢の3人の常勤医師に加え、臼井教授も非常勤にて診療にあたっています。

このたび、眼科一般診療に加えて、高い専門性の必要な症例に対応すべく専門外来を設置し、各疾患専門医による診療を開始しました。

医師、看護師、視能訓練士、受付スタッフ等、眼科外来全体で連携し、わかりやすく親切に、しっかりとお困りの点を解決できるよう努めてまいります。
ご不明点等ございましたらお気軽にお問い合わせください。

一般外来

一般外来では、白内障、結膜炎、花粉症、ものもらい、飛蚊症、糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症、など幅広い疾患に対する診療を行っています。点眼治療、レーザー治療、手術療法などを実施します。
初診の方はまず一般外来にお越し頂き、必要に応じて専門外来受診をご案内します。

治療方法

最新機器による検査

緑内障外来(担当:杉崎顕史、臼井智彦)

人間ドックなどで緑内障が疑われて受診された方に、緑内障とはどういうものかわかりますか? とうかがってみると……
・失明する
・眼圧が高い
・視野が狭くなる
・よくわからない
という答えが多い印象です。

実際に緑内障は視神経が障害されて視野に異常が生じる疾患で、実際に失明に至ることもあり、日本における失明の原因疾患としてもここ最近は常に緑内障が1位を占めているのも事実です。
20年ほど前に報告された岐阜県多治見市の市民検診を基にした多治見スタディの報告で40歳以上の日本人の20人に1人が罹患していることが判明しており、その後のさらなる人口の高齢化に伴って緑内障患者数は当時よりも増えているものと考えられます。しかしその多くの場合は早期に発見して適切な治療を行うことで失明や重篤な視野障害の進行を抑制できるようになってきています。

残念ながら緑内障で失われた視神経は現在の医学では回復することができないため、なるべく早期に発見することが重要ですが、中期の緑内障であっても半数が普段の生活で見え方に異常を感じていないといわれており、症状に気づいてからではすでに厳しい状態であることもしばしばみられます。
実際に多治見スタディで緑内障と診断された人の9割眼科を受診していませんでした。またその緑内障の中の大部分を占める開放隅角緑内障の約9割の方が眼圧は正常範囲でした。

緑内障の発見には眼底検査やOCTなどの画像検査で視神経の損傷を見たり、視野検査で異常がないかを確認したりすることが必要不可欠です。
当院では緑内障で受診された方に限らず、眼底検査や必要であればOCTなどの眼底の画像検査を用いて緑内障が疑われる方をできるだけ早期に発見することに努めています。

治療方法

緑内障には大きく分けて開放隅角緑内障と閉塞隅角緑内障があり、治療の方針がまったく異なります。

●開放隅角緑内障
開放隅角緑内障の治療の基本は眼圧を下げて低く保つことです。
もともとの眼圧が正常範囲の人も多いため、眼圧がいくつまで下がればいいと一概には言えませんが病気の進行度や年齢に応じて目標値を定め、その後の経過を見て必要であれば治療を強化することになります。

眼圧を下げる治療としては……
点眼薬
レーザー治療
手術治療
内服薬
などがあります。
このうち内服薬は全身への影響が強いため長期には使わないことがほとんどです。

●閉塞隅角緑内障
閉塞隅角緑内障は隅角という眼内の水の出口に至るスペースがもともと狭い眼でその部位が閉塞することで眼圧が上昇するタイプの緑内障です。
隅角が完全に閉塞した場合を急性緑内障発作といい、眼圧が正常値の4~5倍以上に上昇して一晩で失明してしまうこともあります。また閉塞が不完全で眼圧が緩やかに上昇して徐々に緑内障が進行してくる場合もあります。

開放隅角緑内障に比べると失明のリスクがかなり高いことがわかっています。急性緑内障発作を起こしてからでも急いで眼科を受診すれば失明を防ぐことができる場合は多いですが、治療の難易度が上がり、また治療までの数時間で大きく視神経が障害されてしまうため、発作のリスクが高い場合は発作を起こす前に治療するのが原則です。

治療としては隅角の閉塞を解除して発作を起こさないようにすることが必要であり、レーザー治療か手術治療が必要になります。手術治療の場合は、白内障手術が極めて有効です。
閉塞隅角にもいくつかのタイプがありレーザーによる虹彩切開では隅角を広げる効果が得られない場合もあります。その場合は若年の方でも白内障手術を選択する場合もありますが、基本的には当院では年齢が比較的若い場合は虹彩切開を行っています。

最新機器による検査

その他の注意点

●市販の風邪薬や抗アレルギー薬、また胃カメラなどの内視鏡検査の時に使う薬などで、「緑内障の方は医師に相談してください」と書かれているものを多く見ると思います。
基本的にこのような薬は内服した際の効果で隅角が一時的に狭くなることがあるため、もともと隅角が狭い方が急性発作を起こす可能性があります。 そのため大部分の開放隅角緑内障の方は特に使用に制限は必要ありません。閉塞隅角緑内障の方であってもすでに白内障手術を受けている方であればほとんど問題になりません。 逆に隅角が狭いもののまだ緑内障にはなっていない方が、薬の使用で緑内障発作を起こす可能性もあります。

●閉塞隅角緑内障は遠視の高齢の女性に多いことがわかっています。

●人間ドックでは隅角の広さまでは見ていないため、普段健康で眼は問題ないと思われる方もある程度の年齢になったら一度眼科で検査を受けることをお勧めします。


角膜外来(担当:吉田絢子、臼井智彦)

角膜はものを見るときに光が最初に通る場所です。「黒目」と呼ばれていますが、実際は透明な半球状をしており、光を通すだけでなくレンズの役割もしています。角膜の病気になると、角膜が濁ったり形がでこぼこになったりしてしまい、光をきれいに集めることができなくなり、視力がさがります。

角膜外来では、感染性角膜炎、角膜潰瘍、翼状片、角膜ジストロフィ、水疱性角膜症、帯状角膜変性などの各種角膜疾患を対象に、より専門的な検査、診察、治療をご提案します。

各種前眼部手術に加え角膜移植術も輸入角膜にて実施しています。 また角膜混濁眼、角膜内皮細胞減少眼の白内障手術についても承ります。自己血清点眼、ガンシクロビル点眼、クロルヘキシジン点眼、抗真菌剤点眼など院内調剤による特殊点眼治療も実施しております。

顆粒状角膜ジストロフィ

上皮型角膜ヘルペス

治療方法

最新機器による検査


円錐角膜外来(担当:吉田絢子)

円錐角膜とは、角膜が進行性に薄くなり徐々にとがってくることで視力が低下する病気です。若い男性に多く、アトピー性皮膚炎やアレルギー性結膜炎、ダウン症などのある方は円錐角膜発症のリスクが高いと言われています。
急性水腫と呼ばれる状態になると角膜の内側の膜(デスメ膜)に破れ目が生じ角膜が急激にむくむことで白くなり視力が急激に低下します。

初期の円錐角膜に対してはハードコンタクトレンズ装用などで経過を見ますが、進行例では角膜移植が実施されることもあります。近年では角膜クロスリンキングとよばれる円錐角膜の進行を予防するための治療(厚生労働省未承認)が注目されています。

円錐角膜外来では円錐角膜の診断治療を総合的に行っています。初期には生活指導や前眼部OCTによる進行評価を中心に経過観察しますが、進行例では角膜移植も検討します。急性水腫を発症した場合には病態に応じて適切な治療方針を決定します。また近年注目されている進行停止のための角膜クロスリンキング装置も近日中に導入予定です(自費診療)。

円錐角膜の角膜形状解析

急性水腫

治療方法

最新機器による検査


特殊コンタクトレンズ外来(担当:吉田絢子)

円錐角膜、角膜移植後など強い角膜不正乱視のある眼に対し、ハードコンタクトレンズの適切なフィッティングをめざします。
また角膜輪部機能不全による遷延性角膜上皮欠損などに対して、治療用ソフトコンタクトレンズの処方も行っています。

手術実績

診療科 術式 2023年度
眼科 白内障手術、眼内レンズ手術 223
緑内障関連外科手術(白内障同時手術含む) 46
角膜移植、角結膜手術 15
その他手術 21
レーザー手術 緑内障関連 82
その他 360
747

外来医師担当表

曜日 午前 午後
杉崎 顕史
吉田 絢子
(手術)
(予約検査)
杉崎 顕史
吉田 絢子
杉崎 顕史
吉田 絢子
(予約検査)
杉崎 顕史 吉田 絢子
<特殊コンタクトレンズ>(偶数月 第4週)
(手術)
(予約検査)
杉崎 顕史 杉崎 顕史
(予約検査)
吉田 絢子 杉崎 顕史<緑内障>
(手術)
(予約検査)
臼井 智彦<角膜・円錐角膜>
栗原 智行
臼井 智彦<緑内障>
栗原 智行
(予約検査)
【特記事項】
  • ※ご予約の方を優先的に診療します。予約外の方は電話にてお問い合わせください。
  • ※予約外の方は基本的に午前のみの対応です。
  • ※初診の方は事前にお問い合わせください。
  • ※特殊コンタクトレンズ外来についてはお電話にてお問合せください。
ご予約・お問い合わせ

電話03‐3451‐8121(代表)

※14:00~17:00の間にお願いします。