診療科のご案内

遺伝カウンセリング外来

カウンセラーご挨拶

国際医療福祉大学大学院教授

西垣昌和

東京大学卒、博士(保健学)
看護師、保健師、認定遺伝カウンセラー
遺伝カウンセリング学会幹事・評議員
プロフィール

●遺伝カウンセリングでは、様々な疾患がもつ遺伝に関する特徴によって生じる医学的影響、心理的影響、社会的影響に、患者さんやそのご家族が対処していくことをサポートします。

人生における大事な選択をサポートする“遺伝カウンセリング”とはどのようなものなのか、『オンライン健康セミナー』でお話ししていますので、ぜひ、ご覧ください。

●遺伝性疾患は、複数の専門領域にまたがった様々な疾患があります。まずは乳がん、子宮体がん・卵巣がんなど婦人科腫瘍を中心に、乳腺センター、女性腫瘍センター・婦人科と連携してスタートし、順次、他科、他疾患に拡大していきます。

●認定遺伝カウンセラー、看護師、保健師として、様々な教育機関・医療機関での教育・研究・臨床経験を持っています。臨床を熟知したカウンセラーとして、各領域の専門医の先生たちとシームレスに連携し、カウンセリングから治療、予防へと速やかにつなげていきます。

オンライン健康セミナー

遺伝を知れば未来が変わる
~乳がん・婦人科腫瘍の場合

診療概要

1. さまざまな疾患の「遺伝」に関わるご相談に対応します

遺伝カウンセリングは、疾患が遺伝的な特徴を持つ場合、患者さんやその血縁の方々が抱く心配事や疑問に対応いたします。
遺伝的な特徴とは、親から子へ伝わる(=継承)ことだけではなく、遺伝子が発症の原因であることによる疾患の特徴すべてをさします。

2. あなたやご家族がお持ちの疾患に、遺伝性疾患の特徴があるかどかを評価します

疾患には、遺伝性のものとそうでないものがあります。たとえば、同じ乳がんでも、遺伝するタイプとそうでないタイプがあり、全乳がんのなかのおよそ10%が遺伝するタイプといわれています。
遺伝性疾患では、家族性、若年性、多発性、といった特徴を持つ傾向があるほか、それぞれの疾患に特徴的な症状を有することがあります。
遺伝カウンセリングでは、現病歴や家族歴を詳しくお聞きして,これらの特徴があるかどうかを評価します。

3. 関連診療科と連携して、最適な治療・予防・ケアにつなげます

遺伝性疾患は、遺伝子に病気の原因となるような変化を有することによって生じる疾患です。そのため、たとえ発症前であっても、遺伝子を検査することによって、遺伝性疾患やそれに関係した症状を将来的に生じるリスクを予測することが可能な疾患もあります。
そのような疾患について、検査を受けるのかどうかを決めるカウンセリングから、その後の治療・予防・ケアまで、関連する診療科と連携して提供します。

乳がん 遺伝カウンセリング≪乳腺≫外来

乳がんは、遺伝性の乳がんとそうでない乳がんに分けられます。
「遺伝性乳がん」は、がんになることを防ぐ働きをする遺伝子が生まれつきうまく働かない体質を持っているために生じるがんで、乳がん全体のおよそ10%がそれにあたると考えられています。
「遺伝性」と聞くと、乳がんの患者さんがご家族に複数いらっしゃることをイメージされるかもしれません。それは正しいイメージではあるのですが、現在は女性の9人に1人が乳がんになるといわれており、乳がんの家族歴があることは決して珍しいことではありません。家族に乳がんの患者さんがいるからといって「遺伝性」であるとは限りません。
がんになりやすい体質によって生じる「遺伝性乳がん」には、主に閉経前に乳がんになる「若年性」、右側も左側も乳がんになったり、腫瘍が一度に複数できたりする「多発性」といった特徴もあります。また、男性でも乳がんが生じやすくなります。
さらに、卵巣がん、すい臓がん、前立腺がんといったその他のがんになりやすくなったりもします。
「遺伝カウンセリング<乳腺>外来」では、乳がん患者さんとそのご家族に、これらの遺伝性乳がんの特徴があるかどうかを見極め、適切な検診や予防につないでいくとともに、遺伝性乳がんに関連した心配事に対応いたします。

卵巣がん・子宮体がん など 遺伝カウンセリング≪婦人科≫外来

卵巣がん、子宮体がんの中にも、乳がんと同様に遺伝性のものがあります。
卵巣がんのおよそ10%は、遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)という遺伝性のがんの一部の症状として生じているといわれています。その名のとおり、HBOCは主要な遺伝性乳がんでもあり、全乳がんの5-7%しめます。
同じように、子宮体がんが「リンチ症候群」という遺伝性のがんの一部の症状として生じることがあります。リンチ症候群は、大腸がんをはじめとする様々ながんを発症するリスクが高い症候群です。
「遺伝カウンセリング<婦人科>外来」では婦人科がん患者さんとそのご家族に、これらの遺伝性の婦人科がんの特徴があるかどうかを見極め、適切な検診や予防につないでいくとともに、遺伝性の婦人科がんに関連した心配事に対応いたします。

ご予約・お問い合わせ

遺伝カウンセリング外来
<乳腺>外来 (第3週 火曜日 午後)
<婦人科>外来 (第4週 金曜日 午前)
電話03‐3451‐8121(代表)
※9:00~17:00の間にお願いいたします。