泌尿器科
腎がんの治療について
腎がんについて
腎がん(腎細胞がん)は早期にはほとんど症状が無く、ドックや他の病気の検査中に偶然見つかることの多い疾患です。早期に見つかった場合は、手術が最適な治療法です。
腎がんの手術療法
当院では、巨大なものや他の臓器にまで進展している場合を除き、ほとんどが腹腔鏡の手術により治療しています。特に直径が4cm以下で真ん中にない場合は、腹腔鏡下腎部分切除術を行っています。腹腔鏡手術は痛みが少なく、通常1週間程度の入院期間です。
腎がんの薬物療法
転移のある腎がんは抗がん剤の効果が少ないため、分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害薬が治療に用いられます。
分子標的治療薬
◆腎がんに対しては血管新生を阻害する分子標的治療薬が有効性を示します。
◆当院ではスーテント®、ヴォトリエント®、インライタ®、ネクサバール®やアフィニトール®、トーリセル®といった分子標的治療薬を患者様の病状に合わせて選択し、使用しています。
数多くの分子標的治療薬がありますが、少しずつ薬剤ごとに特徴があります。当科では経験豊かな泌尿器科医師が患者さんの状況に合わせて最適な治療薬を選んで治療しています。
免疫チェックポイント阻害薬
◆体の中にがんができると免疫細胞ががんを攻撃し、がんを排除していきます。これを抗腫瘍免疫といいます。しかし、がん細胞は免疫チェックポイント分子(PDL1やCTLA4など)という、この抗腫瘍免疫反応から逃げる機構を持っています。転移性腎がんの治療には、この免疫チェックポイント分子を標的としたオプジーボ®、キイトルーダ®、ヤーボイ®などの免疫チェックポイント阻害薬も用いられます。
◆このような免疫チェックポイント阻害薬は、薬の副作用も従来の抗がん剤とは異なります。当院では免疫チェックポイント阻害薬対策チームを形成し、複数の科で協力することで、安全かつ効果を最大化するような治療を行っています。