診療科のご案内

女性腫瘍センター・婦人科

遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)

卵巣がんのうち、およそ10%は遺伝子の異常が原因で発症するといわれています。この異常を家系的に持っている方は卵巣がんだけでなく、乳がんや前立腺がん、膵がんなどさまざまながんになりやすいことがわかっています。こうした方は、遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)と呼ばれ、特に早い年齢からの検査・対応がよいとされています。
当院婦人科では、乳がんを発症したHBOCの患者様に対して、保険診療にて卵巣がんや卵管がんの発症を未然に防ぐための予防的な卵巣卵管の切除(リスク低減卵管卵巣摘出術;RRSO)を実施しております。また、乳がんを発症していない方でも遺伝カウンセリングを受けていただくことやRRSOに関するご相談・実施も可能となっております(一部自費診療となります)。
卵巣がんや卵管がんは病気を早期発見するための検査がないため、初期で診断することがむずかしい病気です。そのためHBOCの患者様にとって、RRSOは最も確実な卵巣がん・卵管がん予防の方法といえます。RRSOを希望される方には、身体への負担を最小限にするため腹腔鏡手術を行います。
ご本人ががんと診断されていなくても、ご家族が乳がんや卵巣がんと診断された方の遺伝のカウンセリングも実施しております。また、乳がんを発症する前の予防的な乳房切除(リスク低減乳房切除術:RRM)に関しては、乳腺センターへのご紹介も可能です。患者様のお気持ちを最優先しながら、最善の選択をしていただけるよう取り組んでまいります。