診療科のご案内

頭頸部腫瘍センター

唾液腺腫瘍外来

唾液腺には、左右一対の耳下腺、顎下腺、舌下腺の大唾液腺と、口・のどの粘膜下やのどの周囲(副咽頭間隙)に分布する小唾液腺があります。ここに発生する腫瘍が唾液腺腫瘍です。(唾液腺とは?唾液腺腫瘍とは?副咽頭間隙腫瘍とは?

唾液腺が存在する頭頸部領域には、生活の営みに必要な「食べる」「呼吸をする」機能に加えて、「話す」「見る」「聞く」「味わう」「嗅ぐ」「表情をつくる」など人間らしい生活を送るための機能が集約しています。

唾液腺は人目に付きやすい部位(あごの下、耳の前等)にあることから、この領域に腫瘍が発症すると“腫れ”が顔の周囲に見えるだけではなく、顔面神経への影響を及ぼし顔面神経麻痺等の症状を呈することもあります。

唾液腺腫瘍の発生頻度は比較的稀ではありますが、良性と悪性のいずれも発生します。一部の良性腫瘍は経過中に悪性化することもあるため “良性”であっても基本的に外科的切除を提案しています。良性腫瘍の中には術後局所再発をきたすことが知られている腫瘍型もあり、慎重な手術が必要です。当センターでは、それぞれの腫瘍型の“性格”に応じた適切な治療法を選択しています。また、手術による副損傷(顔面神経麻痺)を極力避けるため、全症例に対し顔面神経刺激装置を使用しています。

悪性腫瘍では、上記の「表情をつくる」「食べる」「話す」「見る」「呼吸をする」「聞く」「味わう」「嗅ぐ」機能に、さまざまな程度の障害を生じることがあり、Quality of Life(QOL)が著しく低下してしまいます。

唾液腺悪性腫瘍では、基本的に手術治療が行われます。これまでは、手術が唯一の治療と考えられていましたが、近年では、悪性腫瘍に対しては、術後放射線治療の重要性が見直されています。また、薬物療法に関しても唾液腺癌は稀少癌であることから、他の癌種に比べ新しい治療の開発が遅れている領域ではありますが、近年、分子標的薬やアンドロゲン遮断療法、免疫チェックポイント阻害薬等の有効性も示されています。

当センターの唾液腺腫瘍外来では、最新のエビデンスや診療ガイドラインを活かしつつ、鎌田信悦によるセンター開設以来、培われてきた外科治療、放射線治療、薬物治療の豊富な経験を加え、放射線治療医、放射線診断医、薬物治療専門医、病理診断医と連携し、さらに、患者さんの背景も考慮して最適な治療方針を決定していきます。もちろんセカンドオピニオンも随時受付しています。(外来医師担当表

関連リンク

【薬物治療に関するプレスリリース】

【当センターの薬物治療に関するニュース】

【当センターが研究協力施設となった唾液腺癌に対する臨床試験に関するニュース】

【センター長三浦弘規による唾液腺腫瘍、副咽頭間隙腫瘍手術のお話】

【頭頸部希少癌の薬物治療に関する講演動画】


以下は英語のサイトになります。

【当センターの試験結果の報告論文】

【当センターの抗アンドロゲン治療に関する海外の反応】

【当センターの抗HER2治療に関する海外の反応】

【当センターが協力施設となっている唾液腺癌に関する研究論文】

【海外学会での発表】