心臓血管センター
当科の手術の特徴
心臓手術は医療技術の進歩により成績が向上し、多くの患者様にとって安全な手術となっています。しかしながら身体への負担は依然として大きく、早期の社会生活復帰という点ではまだ改善されるべきです。当科では身体への負担が少ない「低侵襲手術」を行います。内視鏡を用いた小切開による手術は疼痛や出血が少ないのが特徴で、早期の社会生活、日常生活への復帰が可能です。
また術後合併症の予防と、早期の社会復帰を目指して、手術の翌日から呼吸および歩行リハビリを行います。
低侵襲手術(MICS)について
心臓手術は通常、胸骨正中切開で行われます。この方法は心臓手術の最も安全性の高い、標準的な方法です。
近年では、胸骨正中切開をしないいわゆる低侵襲手術が行われるようになっています。これは英語の頭文字をとってMICS(ミックス)とも呼ばれています。胸骨を部分的に切開する方法や、右側の肋骨の間を開胸して行う方法があります。
創部が小さく、痛みや出血が少ないのが特徴です。女性の場合は乳房や下着の中に隠れるので美容上も有利です。
われわれはMICSを得意としていますが、疾患や病状によってどの術式がベストか選択しています。
低侵襲僧帽弁形成術
低侵襲手術(MICS)に適した患者様は?
- 若年(60歳代かそれ以下)の弁膜症の方
- 狭心症のバイパス術で、病状の軽い方
- 早く仕事に復帰したい方(?2週間)
- 女性(年齢に限らず)
心臓リハビリテーションについて
心臓手術後のリハビリは、合併症の予防や早期回復のために非常に重要であることが知られています。
当院では、手術の翌日からリハビリ専門医、担当医や看護師の見守りのもとで、歩行リハビリを開始します。退院までには階段昇降や自転車によるリハビリで日常生活に十分な機能回復を図ります。
心臓リハビリの一例
- 80歳代の大動脈弁置換術後の患者様
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術後1日目 歩行訓練開始(右動画)
術後4日目 ICU退室
術後6日目 階段昇降開始
術後12日目 退院
患者様の許可を得て撮影しています